都会で働いているタイ人たちは多くが田舎へ帰省し、在タイの日本人は旅行へ行ったり、ゴルフへ行ったり、日本へ帰ったり。私は、桜を見に日本へ帰って来ました。

いつ見ても満開の「桜」はいいものです。
タイ人の同僚にしつこく“土産で桜を持って帰ってきてくれ”と言われましたが、そりゃ無理ってモンです。

日本でニュースを見ていると、まるでタイは戦乱の中にあるような国に見えていました。
各所で非常事態宣言が出て、路線バスが燃え、発砲事件が起きて、民間人が死亡…
一体ここはどこの国なんですかね。
でも、これもタイなんですね。
タイ近代史の本を見ると、いつもクーデターや、血生臭い事件がほんの10数年前まで幾度と起きてきています。
1990年代後半頃から、タイが一気に日本人に身近な国となり、タイ観光の代名詞にもなりつつある「微笑みの国」のイメージが先行してしまって来ていたのだと思います。私もそのイメージでタイに来た一人です。
しかし、ニュース映像でヘルメットをかぶったTVリポーターがいかにもタイ・バンコクは危険な国、都市であるかのごとくリポートし、視聴者の興味を引くような過激な映像だけがTVから流れてきていました。
果たして、リポーターだけではなく、カメラマンもヘルメットは被っていたのでしょうか?
確かに、その流れてきた映像も事実なのでしょうが、ごく一部で起きている出来事をまるでタイ全土で繰り広げられているようにニュースで流されてしまっているのには残念でした。
そして、赤軍団のデモ発生が大々的なニュースだったのに対し、終結・解散のニュースの取扱いの小さいこと… 当然と言えぱ当然なのでしょうが。
日本かバンコク帰って来る飛行機は在タイ日本人、タイ人旅行者、日本人観光客で満席でした。本当の現状を知っている人々が乗っている飛行機の中には殆ど「危機感」という雰囲気はありません。
スワンナプーム空港へ降り立ち、一旦バンコクへ入ったのですが、何事も無いいつも通りの風景で一体あのニュースで見た映像は何だったのだろうか… と言う感じでした。

早くこの国の状況が正しく日本へ伝わるといいのですが、またまたしばらく時間がかかりそうです。 (赤の写真はロイター)