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2011年04月26日

日本もタイも食が危ない。

日本で毎週発刊されている「日経ビジネス」の4月18日号のタイトルは「食が危ない」。

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手元に届いたこの冊子を読む限り、東日本大震災の影響で、日本全国で食卓への影響が出始めているそうである。
震災前からの在庫のやりくり等で出荷出来ていたものはスーパーなどにもまだ並んでいるらしいが、これから日に日にその状況は変わっていくだろうという話が載っていた。

何よりも“漁港が壊滅して魚が捕れない”、“貝の養殖ができない”という話だけではなく、「缶詰の缶が無い」、「納豆の容器が無い」、「生乳の生産が不足」といった『津波以外』のダメージも大きく、その回復には相当な時間がかかりそうである。

ここまでは、日本の話。

かたや、外国(タイ)。

日本の「2010年農林水産物、輸出額」の国・地域別内訳をみると、

一位、香港 (1210億円)
二位、台湾 (609億円)
三位、中国 (555億円)
四位、韓国 (462億円)
と続いて
五位に「タイ」(212億円)が入っている。

日本食材の巨大市場である香港では食の「ジャパン・バッシング」がひどいらしく、消費者の間では「日本の食品」=「危険」という感覚が常態化することが懸念されているとの事。

これは、タイでも全く同じ状況で『輸入された日本の食品から放射能が検出されました』というニュースが先日もセンセーショナルに報道され、一部のタイ国民からは「日本の食品は全て怖い」と聞こえてくる始末。
一部の日本食品輸入業者は、タイ国内のマスコミや関係各所に「日本食品の安全性」をタイ語で配布しているそうだが、当然の如くそれらが一般タイ国民に知らされることは皆無。

私の職場(飲食店)でもタイや中国、そして西洋のお客様から「おたくのこの食材(魚や野菜)は日本産?」と訊いてくる方が多数おり、「そうですよ」と正直に答えると二言目には『やだー、こわーい!』と言われる。

ハッキリ言って、日本人である私が「あんたの国の食品は危険だから、私に近づけないで!」と面と向かった言われると、腹が立ってくるのが正直なところ。

こうなると、怒りと悲しさを押し殺して「日本・タイでの二重検査を通ってきているのだから安全です」と言っても馬の耳に念仏。 

本当に悲しくなってきます。

このままでは、親日国「タイ」で一気に発展、浸透しつつあった“日本食文化”もしばらくは「ジャパン・パッシング」の渦中からは抜け出すのに相当な時間がかかってしまいそうな雰囲気である。

一刻も早く、日本の現状(特に原子力)が安全だと言い切れる状態にならない限り、これらの影響はタイ国内の他の産業の至るところでも出てきそうである。

なにせ、一番には。
一生懸命生産した野菜を捨てざるを得ない農家、育てた家畜を見殺しにしなくてはいけない畜産農家、商売道具を全て破壊された漁業家。
これらの人たちの今までの努力の結晶が、ここタイや諸外国、そして日本の人々にまで「危ない」と言われてしまう現状は、食の世界にいる一人の日本人として本当に残念であり、ただただ無念。

この国ではタイ人が“忘れる”まで辛抱するしかない、か。
posted by よさく at 02:49| Comment(0) | タイでの食生活
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